夏が近づき、日本の伝説の中でもいっとうロマンチックな、
七夕の季節がやってきますね。
オンシーズンの前に、七夕のあれこれをおさらいしておきましょう!
悲恋? シアワセ? 七夕伝説
冒頭、さっそく「日本の伝説の中でも……」と書きましたが、
七夕伝説の起源はそもそも、日本ではなく中国です。
……えっ、と思われた方も既に多いかもしれませんね。
そう、七夕は中国を起源とする行事だったのです。
本来、なぜ七夕の伝説が発生したかということは
未だわかっていませんが、
南北朝時代の『荊楚歳時記』という本には
つまり、彦星と、 すなわち織り姫の名が掲載されています。
織女は、天帝の娘です。
中国の伝説に言う「天帝」ですから、
これは玉皇大帝といわれる のことです。
この織女が、一所懸命機織りの仕事をするので
天帝はかわいそうに思い、また褒美をかねて
河西の牽牛郎に嫁がせます。
つまりは、天女が人間の男性のところへ降嫁したということですね。
二人共働き者であったのが、結婚したことでお互いにうつつを抜かし、
仕事をサボって天帝の怒りを買い、
1年に1度しか会えなくなった……というのは
現代まで変わらず語り継がれている内容そのままです。
織女のほうはともかく、
牽牛にしてみれば、天女の魅力に一目惚れしたわけで、
普通に考えて抗いがたくちょっとかわいそうな話ではありますね。
この、牽牛と織女が天の川を渡って会えるのが
ところが、当日晴れず曇ってしまったり、雨が降ると、
天の川が氾濫し、
二人にとって年に一度の機会もつぶれてしまうのだそうです。
これを哀れんだ地上の人々が、
笹と短冊を奉じて二人が会えるよう祈る、これが
七夕の起源となったようです。
日本における七夕祭り
日本での七夕祭りは、やはり古くからのもので
その起源はあいまいでよくわかっていません。
時期が7月7日ですから、本来は旧盆の時期にあたり、
お盆行事と融合したところもあったようです。
現代では、お盆は8月に行われることが増えているため、
精霊棚を飾る等のお盆行事とは分けてなされるようになってきています。
神事として七夕をお祭りする地域では
7月7日未明に、願い事をつるした笹を海に流すところもあるそうです。
短冊に書く願い事も、現代では様々ですが、
牽牛・織女にならい、過去には
織物や裁縫の上達、文字・芸事の上達などが願われたようです。
七夕の星は実際にあるの? 見つけかたは?
牽牛星・織女星といわれる星は実際にあります。
牽牛星は、西洋名ではわし座の
また、織女星は、こと座の 。
いずれも、「夏の大三角」を形づくる
3つの星のうちの、2つなのです。
ちなみに、もうひとつははくちょう座の です。
真夏の夜、遅い時間に、空の高い所を見上げると、
この3つの星はすぐに見つけることができます。
空のど真ん中、高いところに光る、ひときわ明るい星が
です。
そこから、右ななめ下に視線をうつすと、これも明るい
が見つかります。
一方、ベガの左ななめ下側、アルタイルの左ななめ上側が、
デネブです。
夏の大三角は、三角定規のような形をしています。
牽牛星、織女星は中国の星うらないにも登場する
伝説の星。
今年は、サブカルチャーの上達をお願いしてみるのも
良いかもしれませんね。
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